感覚統合とは、複数の感覚を整理したりまとめたりする脳の機能のことです。
私たちは、光や音など、たくさんの刺激に囲まれながら生活しています。
その多くの刺激が身体に加わっていることを感じる働きを感覚といいます。
人間の感覚には、ご存じ五感と普段は意識してないと思いますが、
私たちの身体には、運動に重要なセンサーが2つあります。
①五感:触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚
②固有受容覚:手足の状態・筋肉の伸び縮み(力加減など)や関節の動き(位置、角度)を感じる感覚
③前庭覚:身体の動きや傾き、スピードを感じる感覚。揺れや頭の傾きなどを感じており、姿勢頭と地面の位置関係を感じている。
といった合計7つの感覚があります。
これらの感覚は、生活していると、絶えずさまざまな感覚器官から入ってきます。
脳は、このたくさんの感覚をきちんと分類したり整理したりすることができ、これを統合といいます。

この統合という機能は例えるなら、信号機のない交差点を一人の警察官が交通整理をしているようなものです。
前後左右からやってくる車を警官がきちんと整えることでスムーズに車が道路を走ることができるように、
身体に入ってくる感覚に対して統合機能が正しく機能することで、正しく感覚を整理し、取り入れることができます。
しかし警察官が慌てて、現状を把握できずに交通整理ができていないと、車はどこを走っていいか?止まるべきなのか?分からなくなり、混乱し、渋滞してしまいます。
統合がうまくいかないと、次々にやってくる感覚の強弱を調整したり、感覚を受け入れる量を調節することがうまくできず、混乱してしまうという状態を引き起こしてしまうのです。
次々と身体に入ってこようとする7つの感覚を整理したり分類したりするのが感覚統合です。
この働きによって、その場面、場面に応じた感覚の調整や注意の向け方ができるようになり、
①自分の身体を把握する
②道具を使いこなす
③人とコミュニケーションをとる
というような周囲の状況の把握とそれをふまえた行動ができるようになります。
グランドムーブメント®️などが基本的な統合運動で誰にでもできて、誰にでも有効です。
(画像は敢えてグランドムーブメント®️ではなく、別の意味を含んでいます)