筋膜リリースとは、痛みの引き金になっているポイント(トリガーポイント)を軽めの圧迫やけん引によって筋膜を解放(リリース)させ、筋膜の癒着(コラーゲン繊維の結合)により生じる収縮(凝り固まった状態)を改善、消失させる手法(手技)のことを言います。
簡単に言えば、ストレッチやマッサージの技法の一つと言え、一箇所に施す時間がストレッチやマッサージよりも長く、60秒程度から状態によっては、3~5分かける場合もあります。
筋膜は、伸縮性のある半流動体の膜で頭の先から足の指まで繋がっており、筋肉や骨、血管や神経、臓器などを包み込んでいます。
この筋膜が収縮して固くなっていたり、癒着すると痛みが生じたり、柔軟性が損なわれたり、運動においては可動域に制限が生じ、本来の動作ができなくなってしまうのです。
癒着、収縮の原因としては、長時間同じ姿勢のまま生活や仕事をしている人、運動不足や体を動かすことが少ない人、怪我やねんざなどで筋膜が炎症を起こしている場合、さらには日頃のストレス等が挙げられます。
癒着、収縮した状態のまま無理な動きや負荷ががると炎症を起こしたり、またはその制限を補おうと別の部位に痛みが出たりと影響が出てくることがあるので、違和感を感じている個所があれば、事前に筋膜リリースを施し、正常な機能を保っておきたいところです。
また、スポーツやトレーニングをしていて関節可動域に制限を感じている人、動きにキレがないと感じている人も筋膜リリースを施すことでパフォーマンスの向上、怪我の予防に役立つことが少なくありません。
筋肉にアプローチするのはストレッチ、筋膜にアプローチするのは筋膜リリースと覚えて頂ければ「どっちがいいの?」という質問もなくなるでしょう。
どっちもいいです。アプローチしている物が違うという点だけですね。