10月の汚水漏水事故で(流石に出産を控えていたので流石に)休会していた会員様が
お母さんになって産後2ヶ月でトレーニングに帰ってこられました。
ピラティスインストラクターでもある彼女が開口一番に放った言葉は、指導者として、そして一人の母親としての切実な「解釈」そのものでした。
「6kgになる赤ちゃんを抱えて動く日常。やはり、この不規則な負荷に耐えうるため、負荷をかけたトレーニングが必要だったんですね」
赤ちゃんを産んで強く感じてくれたようで、この気づきこそが、今までこのジムでやってきた、LMT(ローテッドムーブメントレーニング)の本質です。今回は、創設者Michol Dalcourt氏の理論と、2026年現在の最新エビデンスを交え、なぜ「動ける身体」にはLMTが不可欠なのかを深く考察します。
1. LMTの定義と子育てにおける「生物学的課題」
ViPRの開発者Michol Dalcourt氏は、人間が本来行うべきトレーニングを「Biological Task(生物学的課題)」に基づいたものに再構築すべきだと主張しています。
従来の「重りを持ち上げる(Lifting)」という概念を、「重りを持って動く(Moving)」へと拡張させました。



2.子育てという「カオス」への適応
育児における動作は、バーベルのように重心が安定したものは一つもありません。泣き叫び、不規則に動く(赤ちゃん)の負荷を抱えながら、狭い室内を3D(三次元)に動き回る。これはまさに「Biological Task(生物学的課題)」です。
- LMTとは: 「重りを持ちながら、全身を様々な方向(3D)に動かす筋膜連鎖統合のこと」です。
- ピラティスとの違い: ピラティスが主に「内部の安定(スタビリティ)」や「アライメント」を整えるのに対し、LMTは「外部からの不規則な負荷(赤ちゃんという動く重り)」に対して、全身の筋膜(Fascia)を統合して動かす力を養います。
- 筋膜の弾性エネルギー(Elastic Recoil)筋膜は一定の負荷を伴うリズム運動で最も活性化するとされてきました。[2026年]の最新研究では、この筋膜の弾性が産後のリカバリー(尿漏れや骨盤の不安定性改善)に直接的な好影響を与えることが、北米の臨床データで示されています。
- 子育ての現実: 赤ちゃんを抱っこして歩く、床から抱き上げる、ベビーカーを片手で操作する。これらはすべて「重心が常に移動し続ける不規則な負荷」であり、伝統的なバーベルのような「安定した負荷」とは根本的に異なります。
3.世代と目的を超えるLMTの多面性
ダンデライオンジムネイジアムでは、この理論をあらゆる層に最適化して提供しています。
| 対象 | トレーニングの核心 | 2026年の評価・視点 |
| 産後女性 | 6kgの赤ちゃんの移動負荷に対する「筋膜のバネ」の再構築 | 「Maternal Function(母親の機能)」回復の必須科目 |
| 78歳女性 | シリンダースクワットによる「抗重力能力」の維持 | 転倒リスクを劇的に下げる「サクセスフル・エイジング」の体現 |
| プロゴルファー | 地面反力を回転力に変える「運動連鎖」のチューニング | 筋肉量ではなく「出力伝達効率」の最大化 |
4.次なる知的最適化へのステップ
産後の身体は、人生で最も「身体の連動」を再定義するのに適した時期かもしれません。
「人々はジムで、現実の世界(Real World)には存在しない完璧な環境で体を動かしている。しかし、母親にとっての現実は、6kgの泣き叫ぶ重りを持ちながら、狭い場所で身体を捻ったり屈んだりすることだ。これに対応するには、筋肉ではなく『動き』に負荷をかけるしかない。」
もし、あなたが「今のトレーニングに何かが足りない」と感じているなら、それは筋肉の量ではなく、「動きの統合」かもしれませんね。
