「水をたくさん飲んだほうがいい」と、よく言われていますが、本当は水分量が不足しても、
多過ぎても体に悪い影響をもたらします。
今回は体内水分量を正常に保つ必要性と対処法についてお話ししたいと思います。
ヒトのからだは、体重の約60%が水で占められています(表1)。
そして、わずか数%の水分の増減により、体調や心理的状態に看過できない影響をもたらします。
例えば、3〜5%の水分が減少すると頭痛や体温上昇、心拍数の上昇がみられます。
物質名 | 総量(kg) | 体重当たり 割合(%) | |
水分 | 細胞外液 細胞内液 | 18 24 | 26 34 |
脂質 | 非必須脂質(脂肪) 必須脂肪 | 12 1.5 | 17 2.1 |
タンパク質 | 10.6 | 15 | |
ミネラル | 3.7 | 5.3 | |
その他 | 0.2 | 0.6 | |
合計 | 70.0 | 100.0 |
体重70kgの男性の場合 (表1)
一方、短期間に2〜3%増加すると腎臓で体内の老廃物を処理しきれなくなってしまうため、
だるさや疲労を感じたり、むくみを起こしたりします。
また、血液量の増加は心臓にも負担をかけるため、高血圧症の人は十分注意しなければなりません。
このように、意外と見落とされがちなのですが、体内水分量の増加も正常範囲を超えてしまうと、
からだに大きな負担となります。
暑いからといって一日中エアコンがよく効いた部屋で過ごし、トイレもいかず、ほとんど動かない生活は体内水分量の視点からも改善したほうがよいでしょう。