世間の人々にとっては、ボディビルディングと聞くと、「えっあんなムキムキにはなりたくないよ」と言われる方がたくさんいます。特に女性の方は「筋トレ」と聞いてもそう思うようです。
ボディビルディングは競技です。あの競技者の方々は、皆さんが行っているスポーツと変わりなく切磋琢磨して作り上げています。しかし、「カラダを作る」という意味ではすべからく「ボディビルディング」を皆さんはしていることでしょう。
いかなる目的を持つ競技者といえども、一度経は経験しなければならない、トレーニングの基本中の基本というべき、トレーニング法ではあります。
これを通過しないことには、競技力向上の為の、専門的トレーニングには移れません。
具体的なやり方としては、ボディビルディングの基本種目と呼ばれるものを、あまり反動を用いることなく、使っている筋肉を意識しながら、正解に動作することを心掛けながら、行ないます。
例えば、胸のトレーニングなら、大胸筋を使っていることを意識しながら、4カウントくらいで下ろして、2カウントであげるくらいのスピードを保ったまま、ダンベルやバーベルを上げ下げして、筋肉が疲れきるまで動作を繰り返します。
この方法は、バーベルやダンベル、トレーニングマシンに、馴染みのない体を、少しずつ重さに慣らせていったり、
正しいトレーニングフォームを習得する為、運動不足の体に、少しずつ体力をつけていくのには、大変有効な方法です。よほどトレーニングに真剣なジムやクラブでない限り、この方法にて、指導を行っているはずです。
しかし、初心者や、ほどほどの筋肉質になりたい方々にしたらそこそこ有効な方法であっても、スポーツ競技や武道に、
ウェイトトレーニングを生かしたい人々にとっては、決してベストというものではありません。よく武道の達人や、一流スポーツ指導者が、「ウエイトトレーニングはやらないほうがよい」と発言される方もいますが、それらの先生方は、今まで述べてきた、ボディビルディング的トレーニング方法に対して、意見を述べているのだと思われます。
ただし、競技能力向上用ウェイトトレーニングのノウハウをもっているトレーナーは、実際にはそんなに多くはいません。
ですから、ウェイトトレーニングを指導することが職業である私でさえ、武道やスポーツには、ウエイトトレーニングは必要ないのか?という問いに対しては、「良いトレーナーが見つかればね」とか、「何もしないよりは、マシかもね」というような、答えでないような消極的な答えにならざるを得ないのが現状です。

いつまでも、これがウェイトトレーニング方法の全てと勘違いして、何年も競技ボディビルディングのトレーニングばかり行っていると、競技スポーツや武道には不向きな、力みやすい、無駄に力むからこそ、疲れやすい体が、出来上がってしまいます。(ボディビルディングを馬鹿にはしていません。はっきり言ってもの凄く気持ちの強い方ではないとできないスポーツだと思っています。)
それでは競技スポーツや武道どんなトレーニングが良いというのか?
「実際の試合に近い動きと筋力を鍛える=ローティッドムーブメント」をボディビルディングだけではなくムーブメントを考えてトレーニングを行うことによって、ホールボディインテグレーション(全身統合)を目指すしていくことが大事だと考えます。