体重だけが健康の正確な指標ではない。
お医者さんの中では特に「標準体重よりも重い人は心血管の代謝状態が悪い」と考えることが多くあります。
血圧、コレステロール、トリグリセリド、血糖値や、心臓・動脈の健康を示すさまざまな指標を含んだ要素に問題があると言います。
しかし、約20の研究を評価したアメリカの研究では、体重の減少と健康の結果との間に「明確な関連性はない」と結論づけています。
つまり、単に体重を減らすだけでは、高血圧や糖尿病のリスクの低減、またコレステロールを有意に下げるわけではないということになります。
さらにあるアメリカの大学の研究においても、体重が重い=心血管の代謝状態が悪い、あるいは痩せている=心血管の代謝状態が良いという考え方は誤りであると結論づけました。
その研究では、政府が行う「国民健康栄養調査」の参加者4万人以上のデータを詳細に分析し、「過体重」と分類された人々のほぼ半数(そして「肥満」に分類された人の4分の1以上)がリピッドやグルコースの血中濃度が正常値であることを発見しました。
つまり、体重が重い人でも心血管代謝に関しては問題がないということです。
一方で、「正常体重」とされた参加者の 30% は、これらの値が健康的ではない、ということも判明したのです。
要するに、体重だけが良い健康状態を示す指標ではないということで、人の体重だけを見てその人が健康かどうかを判断することはできないということになると考えられるのです。