脳科学から紐解く発育発達と足裏センサー
痛みの出ない子に育てられないだろうか? 痛みの出やすい体になってしまった理由はいったいなんなんだろうか? ということです。
もしそれが分かれば、痛みの出にくい発育発達、そして不足しているものを再学習することで現在痛みを抱えている人も痛みがでないようにできるのでは? と思ったわけです。
そうした考えから、子供の発育(体の形はどう作られていくのか)は発達(どんな能力を求めるか)で変わっていくということに気がつきます。
子供は環境に合わせ最適な成長をしていきます。
その証拠に、水泳をしていた子は肩幅が広くなり、バレエをしていた子は爪先が外を向きます。これはスポーツにおいて必要な能力を獲得するために体の形が決まったということを意味します。
子供が大きくなっていくまでの成長過程を追ってみます。赤ちゃんがハイハイしている頃、足の裏はまだ大地を捉えていません。高這いやお座りを覚えた頃足の裏は大地を感じ初めていきます。この瞬間から二足歩行をするための足裏センサーの発達が始まっていきます。足裏センサーからの情報はあらゆる環境下での姿勢反応に利用されます。姿勢をきっちり制御できること、これが二足歩行ができる人間の大きな特徴です。そして足裏センサーの発達はあらゆる不整地(凹凸のある地面)での移動を行なった結果得られるのです。
不整地を歩くとき、不安が大きければ大きいほど爪先から着地します。つまり足裏センサーは爪先側で大きく働いてくるということです。脳は爪先で傾斜や地面の質感(滑るのか?硬いのか?)を探索し姿勢制御のための戦略を立てます。どんな大地に対しても、足の傾き方や腿のねじれ、背骨の向きやバランスを調整できることが体幹機能として二足歩行や姿勢へ大きな影響を与えてくれます。発育していく段階での足裏センサーの発達は姿勢制御に直結しスムーズな動きや痛みの出にくい身体の素になります。
現代社会において不整地を歩くということ自体が難しくなってきています。高齢者の転倒防止のために室内はバリアフリー化しましたが転倒事故自体は減少傾向にありません。転倒事故の大半は2cm以下の小さな凹凸に躓くという報告も上がってきています。不整地を歩かないということが足裏センサーの機能低下につながっているという現実が垣間見えます。アダプベースは、今から発育していく子供から、痛みから抜け出したい方、姿勢を改善したい方、歩き方の質をあげたい方、歩行や荷重しなかった足のリハビリ中の方、高齢者まで全年齢を対象に足裏センサーの機能改善の役になってくれます。